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スポーツは心拍数の浪費か貯蓄か

「人間って一生に心臓が動く回数が決まってるんでしょ?なら、スポーツなんかして心拍数上げたら早死にするんちゃうのん?」
これまで何十回となく耳にしてきた質問だ。
もしかしたら、昨日書いた本川先生の「ゾウの時間ネズミの時間」がベストセラーになったせいかも、と私は密かに本川先生を恨んでいる(スミマセン)。

ランニング愛好家の皆さんも、家族や同僚から「だからマラソンなんてやめときなさいよ」なんて言われる時の根拠としてこの「スポーツの心拍数浪費説」を聞いたことがあるのでは?

と~んでもない、よく考えたらわかることだが、この説(?)には二つの誤りがある。

その1 
心拍数の多い動物ほど短命という法則は、ゾウ~ヒト~ネズミというように、大きな範囲で異なる動物間の比較をして初めて、しかも大雑把に当てはまるものだ。
だからヒトはネズミより長生きだがゾウより寿命が短い(本来は)。
でも同じ「ヒト」という種の中ではさまざまな要因を抱えた個体差の方が大きく、このような単純な法則は当てはまりにくい。

その2
それでも仮にどの人も一生の総心拍数が決まっているとすれば、スポーツをすることはむしろ心拍数の貯蓄になる。
何故なら、一日24時間の生活の中でスポーツで心拍数を高めるのはせいぜい2時間だろう。
後の22時間の方が圧倒的に長い。中でも一番長いのは睡眠時間だ。
運動に縁遠い生活をしている人の中にはじっとしていても心拍数が100拍/分に近い人もいる。こういう人こそ、睡眠をはじめ一日の大半を占める安静時間に心拍数を浪費しているわけだ。
私は今、一日に2時間ぐらい、心拍数を140拍/分レベルに上げるランニングをするけれど、7時間の睡眠中は40拍/分前後で心臓を休ませ、人生の残り時間の心拍数を節約している。
もちろん安静時心拍数が低いのは日頃の適度なスポーツのおかげだ。

・・・でも24時間も走ればさすがに心拍数を無駄遣いしてるかも(笑)
超ウルトラランナーの皆さん、気をつけましょう。
by runmama | 2005-09-07 17:14